ドッグフードを変えたらうんちの量が増えた!便は少ない方が消化吸収が良いって本当?

 

ドッグフードを替えたらうんちの量が減った、増えたということはあると思いますが、
うんちの量が増えた=消化吸収に良くないフードだとか、うんちの量が減ったから消化吸収に良いフードで良いんだ、という話を聞いたりしますが、果たして真実なのでしょうか?

もちろん、いろんな意見や主張があると思いますが、今回は私の意見や考えについて書いてみたいと思います。

うんちの量が増えたり減ったりするのはなぜか?

うんちの量が増えるのは、やはり消化されない食物繊維などが多いからです。
逆にうんちの量が減るのはこういった消化されにくい原料が少ないフードといえることができます。

写真はうちのダイエットのためのかさましとしてチワワ君のごはんに混ぜているおからです。おからは食物繊維たっぷりなので、チワワ君は毎日もりもりうんちをします。

こんな感じの薄い茶色~黄土色くらいのうんちを2回~多い時で×3回くらいします^^;(ただ、これは途中食糞しちゃってるのもあるので、純粋に食べ物からだけではないですが・・。)

うんちが少なくなるフードは吸収率が向上する良いフード?

うんちが少なくなるフードというのはお肉など消化吸収の良い原料を多く使っているということとになり、うんちが少なくなる=原料自体の消化吸収率は良いフードとは言えそうです。

ただ、原料の消化吸収が良いからといって良いフードかどうかというのはまた別の話です。

例えはあまり良くないかもしれませんが、消化吸収が良くてもハンバーガーなど肉食中心のジャンキーな料理も健康的な良い料理と言えるでしょうか?

うんちが多くなるフードは栄養の吸収率が悪くなる良くないフード?

逆にうんちが多くなるということは、食物繊維や穀物など消化吸収のあまり良くない原料を多く含むフードだと言えるでしょう。

つまり、うんちの多くなるフードは原料自体の体内への消化吸収率は良くないと言えると思います。

ただ、これも先ほどと同様、消化吸収率が悪い(=吸収率が悪い)からといって悪いフードなのか?といえばそうではないですよね。

冒頭でも紹介したおからは食物繊維が豊富で、もりもりうんちは出ますがおから自体が健康に悪いわけではないですよね^^

ヘルシーな昔ながらの日本食も食物繊維がたっぷり入った食材を多く使っていますがとっても健康的です。

うんちの多い少ないはフードの良し悪しに関係するか?

他の動物の例で考えてみましょう。

草食動物の馬と肉食動物のライオンではうんちの量は比較にならないほど馬の方が多いです。
それは、草食動物の馬の方は食物繊維を多く含んだ草を主食としています。

反対に肉食動物のライオンは繊維のほとんど含まれない肉を主食とします。
結果として、消化吸収されにくい食物繊維を多く含んだ草を食べている馬の方がうんちの量は多くなりますが、両者ともいたって健康です。

参考:うんちに注目してみよう!|ぱかぱか広場|よこはま動物園ズーラシア公式サイト|公益財団法人 横浜市緑の協会

どちらも、自分の主食に合った消化器官の構造を持っているために、うんちの量が多い少ないで健康、不健康を測るのは意味のないということが分かると思います。

という意見がありますが、そもそも消化器官に負担がかかっているのであれば、うんちの量ではなくもっとうんちの状態として良くない兆候が見られるはずです。
例えば、うんちが柔らかくなっていたり、血が混じっていたりするのであればそれは消化器官に負担がかかっているサインも知れません。

この辺は実は獣医さんにも確認済みで、食べ物の消化不良の兆候としては、

  • うんちの色が薄い
  • うんちがゆるい

こういったものが見られるようです。(※黒っぽいうんちについては、中を割ってみても黒い部分が見られる場合には出血の可能性がありますが、表面だけであればフードの色素ということも考えられるようです。)

逆に、しっかりと形もしっかりしていて、硬さもちょうどよく、色も黄色~茶色という一般的なうんちであった場合、うんちの量がどうであれ健康的なうんちと言えるのではないでしょうか。

そのフードが良いか悪いかを決めるのは、うんちの量ではなく、うんち自体の状態を見て判断するべきだと思います。

人間でも、体調が悪いかどうかの判断基準は、下痢をしていないか?逆に便秘になっていないか?そういったろころを見るはずです。

さらに言うと、あなたは昨日より今日の便の量が増えたからといって、「あ、昨日は消化に悪い食物繊維たっぷりの野菜をたくさんとったからな・・・ちょっと胃腸に負担をかけてしまったかな・・体に悪いことしてしまったな。」と思いますか?

ベジタリアンの人は年中不健康なのでしょうか?

これと同じことをワンちゃんたちのうんちを見ながら考えていると言ことになります。

グレインフリー神話の呪縛

このうんちが少ない=消化吸収の良いフード=胃腸に負担をかけない良いフードという図式を作ったのは少し前まで大流行していたグレインフリーのフードが原因ではないでしょうか。

確かに、グレインフリーをおすすめしている獣医さんも中にはいますが、そうでない獣医さんもたくさんいます。

こういった図式でグレインフリーのフードがもてはやされた裏側には、実はドッグフード会社のプロモーションという裏の意図が隠されていることに気が付いている人は少なくないと思います。

ここまでグレインフリー=絶対的な善という図式が出来上がったのは、意図的に自社の製品のプロモーションのためにそういった構図を作った、もっと正確に言うとある一説としてあったグレインフリーという道具を、販売戦略として企業の方が利用したという構造があるわけです。

グレインフリー神話の成り立ち

  1. 犬は元々肉食だから、穀物をうまく消化できない!さからグレインフリーのフードが犬の消化に最適!という説が生まれる。
  2. 企業がドッグフードを売るためのツールとして使うようになる。
  3. グレインフリーが一番!グレインフリーじゃないドッグフードは粗悪だ!という風潮が生まれる。
  4. グレインフリーのドッグフードが飛ぶように売れるようになる。
  5. さらにグレインフリーは最高!という風潮に拍車がかかる。
  6. 企業がさらに利用してグレインフリー神話を宣伝する。
  7. 4~6の繰り返し

まぁ、こういったことは企業のマーケティングの一環として往々にしてあるもので特に珍しいことでもないですが、大事なのはそういったことを分かった上でしっかりと真実は何なのか?を飼い主さん自身が判断できることではないでしょうか。

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