前回の記事でも紹介しましたが、チワワ君今年の1月に尿路結石の診断を受けています。
https://with-tiwawa.com/?p=12616
正確には膀胱に結石がある状態なので膀胱結石となりますが、
この結石が膀胱から尿管や尿路へ出てきた場合には尿路結石となって、血尿や排尿障害などの症状が出る可能性があります。
今回はうちのチワワ君を例に犬の尿路結石の一般的な症状や主な対策、
そしてあまり一般的でない私独自の観点から考えを書いていきたいと思います。
尿路結石の主な症状
尿路結石は腎臓、尿管、尿道、膀胱といったおしっこの通り道(尿路)に石ができることを言います。
症状として一般的なのは血尿や頻尿、排尿障害などで、
特に尿管や尿道に石が詰まって排尿ができなくなると手術で取り除く必要が出てくることもあります。
腎臓や膀胱にできた結石症の場合には、内側を石が傷つけて血尿が出やすくなったり、
膀胱にできた結石症は石が動いて膀胱を刺激することで頻尿になりやすかったりするといったように、
石ができる場所によって症状の違いがあります。
頻尿の場合にはトイレの回数よりも一回あたりにするおしっこの量が問題で、
飲む水の量や出すおしっこの量が変わっていないのに、頻繁にトイレに行くようになったら頻尿の兆候です。
チワワ君の結石が分かったきっかけ
うちのチワワ君の場合は膀胱に石が見つかっていて、いわゆる膀胱結石というやつですが、
こういった一般的な結石の症状はほとんど見受けられませんでした。
ただ、今考えてみると若干トイレに行く回数が増えたり、一回当たりの量が少ないときがあったりと、
頻尿の兆候は少しあったのかなと感じます。
うちのチワワ君の膀胱結石が見つかったきっかけは、
別件で動物病院を受信したときに撮ってもらったレントゲン写真です。(詳しくは次の尿路結石の診断法で話しますね。)
尿路結石の診断方法
次に尿路結石の診断方法です。
一般的には上で紹介した血尿や頻尿、排尿障害などの症状が出てから動物病院へ行って検査をしてもらうという流れですが、
うちのチワワ君のように全く症状が出ていない場合でもわかることもあります。
尿路結石の主な診断法方は、
- 尿検査
- レントゲン検査
- エコー検査
こういったことを実際にうちのチワワ君をやりました。
レントゲン検査
まず一番初めにチワワ君の結石が見つかったのがレントゲン検査です。
別件でレントゲンを撮った時に、担当の獣医師さんが膀胱に石があることを見つけました。
これは実際にチワワ君の膀胱をレントゲンで撮ってもらった写真で、
本当はもっと小さいのですが、わかりやすいように拡大してもらいました。
大体直径1ミリ~2ミリ弱くらいの石(といっても大きさは砂くらい)が散見しているようです。
尿検査
次に尿検査をしました。
レントゲン写真を見て、尿路結石があることはもう確定だったのですが、
尿検査もしてみましょうということで、やりました。
なぜ石があると分かった後も重ねて尿検査をする必要があるかというと、
できている結石の種類を判別するためです。
目視しておしっこの濁りやキラキラが混ざっているかを見る
あとは普段のおしっこが濁ってきていたり、おしっこをよくよく見てみるとキラキラするものが混ざっていないかを確認することです。
私はちょっとわからなかったのですが、獣医さんはうちのチワワ君のおしっこを見た時点で結石があることは確信していたそうです。おしっこの中にキラキラした石も見えたそうですし。
写真はうちのチワワ君のおしっこから出てきた石です。非常に細かい砂のようですが、こういうものがおしっこの中に混ざっているか目視で確認することもできる場合もあります。
主な結石2つの種類
犬に多い結石の種類としては大きく分けてストラバイト結石とシュウ酸カルシウム結石のふたつがあり、
特にストラバイト結石は犬にできやすい結石みたいですね。
厳密にはこの2つ以外にもダルメシアンに多い尿酸塩尿石などそのほかにも結石の種類はあるみたいですが、ワンちゃんの場合この2つのどちらかの場合が多いようです。
この2つの結石の違いは、簡単に言うとできた石の成分の違いです。
どちらも石ができていることは同じですが、その石がどういう成分が固まってできているのかが違うんですね。
ストルバイト結石
ストラバイト結石の正式名称はリン酸マグネシウムアンモニウムと呼ばれ、
その名前の通りリンとマグネシウム、アンモニウムの成分が固まってできた石です。
ちなみに犬の場合はこのストラバイト結石のほうが多いみたいですね。
おしっこのpHがアルカリ性であるという特徴があるようです。
ちなみに比較的若い犬のほうが発症率は高いというデータがあるようです。
ストルバイト結石の一般的な治療方法
今回のうちのチワワ君のような緊急性がない場合でのストルバイト結石の一般的な治療法としては、
動物病院ではほとんどの場合結石を溶かしたり、
ストルバイト結石の原因物質であるリンやマグネシウムが制限されたていたり、
尿が酸性になるようにPHコントロールされた療法食フードへの切り替えを提案されます。
ストルバイト結石ができると尿がアルカリ性になっていることから、尿を酸性にすると溶けていくようです。
うちのチワワ君の場合もそうでしたが、
基本的に一度療法食にすると一生療法食フードを続ける必要があると言われます。
なぜかというと、一度結石が溶けてなくなったとしても再発することが多いからです。
ただ、緊急性が高い場合には手術で取り除く必要があります。
シュウ酸カルシウム結石
シュウ酸カルシウム結石はその名前の通り、
シュウ酸とカルシウムが結合してできる結石のこと。
日常の食事の中でシュウ酸の摂取量が多かったり、
水を飲む量が少なかったりするとできるリスクが上がることもあるようです。
結石に関してはよくpHコントロールが言われますが、
シュウ酸カルシウム結石の場合にはあまり関係ないようです。
ちなみに、若い犬より高齢犬のほうが発症率が高いというデータもあるようです。
シュウ酸カルシウム結石の一般的な治療方法
シュウ酸カルシウム結石のほうは、
ストルバイトと違い尿のpHを酸性にしても溶けることがありません。
薬を使ったりする治療もあるみたいですし、石が細かい場合にはおしっこと一緒に出てくることもあるみたいですが、
ある程度の大きさになったり、緊急性が高い場合には手術で取り除く必要があります。
結石ができる主な原因と対策
結石ができる原因としては、
- 普段の食生活の中で原因物質※の摂取量が多い
- 水を飲む量が少なく、おしっこをする量が少ない
- 細菌感染
※ストラバイトならリンやマグネシウム、シュウ酸カルシウム結石ならシュウ酸
一般的にはこの3つと遺伝的要素(体質)が原因とされ、多くの場合には1番に関連して食生活の改善を提案されることがほとんどです。食生活の改善の提案としては、ストルバイト結石、シュウ酸カルシウム結石ともに原因となるそれぞれの物質を多く含む食事を制限すること。そして、特にストラバイトの場合には結石を溶かすためにおしっこのpHをアルカリ性から酸性にするような食事管理も勧められます。
勧められるといっても、結局は「そいうったことが諸々すべてトータルでサポートされてますよ」と紹介される療法食フードを勧められることがほとんど。
そして、一度良くなっても再発するリスクがあるから、基本的には一生おすすめした療法食フードを食べさせ続けてねと。
実際、うちのチワワ君もほとんどこれと同じことを言われてヒルズとロイカナの2つの療法食フードのサンプルをもらって帰りました。
ただ、これにはかなり疑問が残るわけですよ。そもそも、それって本当に治ったといえるんでしょうか?一生食べ続けなければいけないのが治療なんでしょうか^^;
療法食を全否定するわけではないですが、どこか情報に偏りがあるようにも思えるのは私だけでしょうか。。
【予防にも】結石によくないとされている食事について
結石の治療として動物病院で真っ先におすすめされるのが療法食のドッグフードのように、
普段の食事の中でリンやマグネシウム、またはシュウ酸が豊富に入っている食材はかなり強く避けられる傾向にあります。
特に以下の食材は健康な犬に対しても、「犬が食べてはいけない食材~選!」みたいな感じで、非常に偏った情報として流されがちです。
ストラバイト結石の場合
リンを多く含む食材
- 肉類全般
- 魚(赤身)
- チーズ
- ヨーグルト
- 納豆、大豆、木綿豆腐などなど
マグネシウムを多く含む食材
- 納豆、大豆
- 干しエビ
- 昆布などの海藻類
- シラス
おしっこのPHがアルカリ性になる食材
- 野菜全般
- 果物全般
- 海藻全般
- きのこ全般
シュウ酸カルシウム結石の場合
シュウ酸を多く含む食材
- ほうれん草
- 小松菜
- レタス
- チンゲン菜
- さつまいも
- ブロッコリー
- バナナ
- 紅茶、コーヒー
はい、ここまででどうですか?
私の感想としては・・・
こんなの全部守ってたら、食べるものなくなっちゃいますよね?
です^^;
そもそも肉や魚類はリン酸が多いからダメでしょ?海藻類はマグネシウムが多いからダメ、野菜やキノコ類はおしっこのPHがアルカリ性になるからと。。
含有量が多い分リスクはあるんでしょうが言い分は極端な気がします。
それに、毎日どれだけの食材を摂取すればどれだけ発症リスクが上がるといったデータもありません。
もちろん、すでに結石のある子はある程度気を付けたほうがいいとは思いますが、そもそもすべての食材を避けることなんて無理です。
だから、だから療法食フードを食べましょうと、持っていきやすいのかもしれませんが。
療法食フードについて
で、結石になったワンちゃんのほとんどがおすすめされるであろう療法食フード。
代表的なものを一覧でざっとまとめて紹介します。
- ロイヤルカナン PHコントロール
- ロイヤルカナン ベッツプラン pHケア
- ヒルズディスクリプションダイエット c/d
- ヒルズディスクリプションダイエット s/d
- ヒルズディスクリプションダイエット u/d
- ナチュラルハーベスト セラピューティックフォーミュラフラックス
- メディコート PHコントロール
ちなみにこの中ですでにストルバイト結石ができている場合、石を溶かすために獣医さんから一番おすすめされたのがヒルズディスクリプションダイエットs/dでした。これが一番強力に石を溶かす力があるようです。ただし、長い期間は続けられないので、一定期間食べさせて石が消えてからはc/dに切り替えて再発を予防していくということでしたね。
詳しい詳細については別記事でまとめます。
⇒【市販】犬の尿路結石用フードまとめ|分かりにくい療法食の選び方を分かりやすく丁寧に。
まとめ
今回はうちのチワワ君の尿路結石が発覚したことをきっかけに、
症状や対策について一般的に言われていることや、動物病院でもよく言われる情報をまとめてみました。
こういったことがすべて正しいとは正直思いませんが、一応結石についての基礎的な知識についてはこの記事でほぼ網羅していると思うので、
特にまだよく結石について知らない、わからないという方は参考にしていただければと思います。
ちなみにうちは結石治療のセオリーである療法食ではなく、手作り食で活路を見出す方針に決めました。
手作り食についてはまだ日が浅いので試行錯誤しながらですが、
このブログでも実際の経過を定期的に報告していきたいと思います。