ドッグフードに含まれる危険な添加物や、人間の廃棄物や問題のある動物の死骸を原料とした粗悪なドッグフードの存在が明らかになり、フードの原材料表示をチェックする方も増えてきたと思います。
グレインフリーがいいとか、~肉はアレルギーがあるから・・・とか飼っているワンちゃんによってそれぞれ見るところはいろいろあると思いますが、飼い主的に原材料表示で一番安心するのが、ビーフやポークなど原材料ズバリが書いてあることではないでしょうか。
逆に不安になってしまうのが、エトキシキンやBHTなど特にカタカナ語やアルファベット表記ですよね。
とにかく、ぱっと見てよく分らないものって不安に思う気持ちはすごくよく分ります。
そして、私がドッグフードのことを調べ始めた当初、すごく不安に思っていたのが硫酸銅、硫化亜鉛、塩酸ピリドキシン、ヨウ酸カルシウム、などの硫酸~とか塩酸~と書かれている原材料です。
結論からいうと、ビタミン、ミネラルの体内に吸収されやすくするための工程を経たもので危険というわけではありません。
今回はドッグフードに含まれるビタミンやミネラルの原材料表示と、なぜドッグフードにはビタミンとミネラルを後から添加する必要があるのか?について紹介します。
不安になってしまうビタミン、ミネラルの原材料表示
こういった原材料が書いてあっても不安になることはありません。これは体内に添加した栄養素を吸収されやすい形に変えているということです。
元々ワンちゃんや私たち人間は食物からミネラルやビタミンを摂取しても多くは吸収されずに排出されてしまいます。
サプリメントでもそのまま添加されているものの吸収率は非常に低いです。
ミネラルやビタミンを希硫酸や希塩酸などと反応させることで、化合物にして体内に吸収されやすい状態に変化させます。
これを厳密に説明するとけっこう難しい科学の知識が必要になってくるのであまり突っ込んでは書きません。(というか私自身その辺のことはちゃんと理解しているわけではないです。)
とにかく銅や鉄などのミネラルは硫酸マグネシウムのように化合物にすることで栄養素を体内に吸収されやすくしているから硫酸~や塩酸~といった表記になるわけで、硫酸や塩酸がそのまま入っているわけではないということです。
例えば、これは人間向けのサプリメントですが、ここにも硫酸鉄などが入っているわけです。
このように人間の食べ物のラベルの裏を見てみてもこういった食品はたくさんあって、身体に悪いものではありません。
確かに字面だけみると不安になってしまいますけどね。。
ドッグフード界を席巻する不可解なアーフコ基準
AAFCO (米国飼料検査官協会)というアメリカの業界団体があります。
ここが出しているドッグフードのガイドラインがあって、現在のドッグフードはほぼすべてがそのアーフコが示す栄養基準にのっとってドッグフードを作っています。
なぜかというと、一言でいうとそうしないと売れないからです。
これはドッグフードメーカーの宣伝手法なのかもしれませんが、ドッグフードメーカーがこぞってアーフコの基準を採用することにより、消費者の飼い主さんもこれが適正な基準値なんだと認知されてしまったからです。
現にアーフコはペットフード会社よりの団体とも言われてもいます。
では、そのアーフコの基準が絶対正しいかといえばそんなことはないんですね。
そもそも、ペットの栄養学というのは非常に遅れていて、今だに分らないことだらけなんですよ。
そして、アーフコの示す栄養基準の値は明らかに高過ぎると声を上げている獣医さんや飼い主さんが実はたくさんいます。
参考:AAFCO基準の嘘とドッグフードのラベルに現れない素材のポテンシャルについて。
栄養を添加しなければ総合栄養食を作るのは難しい
なぜ、アーフコの栄養基準値がこんなにも高いのかというと、一説には手作り食をさせずにずっとドッグフードを飼い主さんに買ってもらうためとも言われています。
アーフコの栄養基準値で手作り食をつくるのは不可能に近いそうです。
一つの栄養素を満たすだけで、膨大な原材料がいったりします。
それに、膨大な原材料の中には多すぎる栄養素も出てきたりするわけです。
つまり、本当の手作り食のように自然の原材料だけでドッグフードを作ると、アーフコの基準値でいけばどれかの栄養素が
必ず過多だったり、逆に足りなかったりしてほぼ無理なわけです。
だから、不可解なアーフコ基準の帳尻合わせとして足りないビタミンやミネラルなどの栄養素を仕方なく添加していくわけです。
まとめ
- 硫酸~、塩酸~など表記のあるミネラルやビタミンは体内に吸収されやすく化合物にした状態であるということ
- ビタミンやミネラルを化合物にすることで吸収率の悪い栄養素を吸収されやすいように加工している
- 硫酸鉄などの栄養素は人間の食品にも使われる添加物で字面だけみると恐ろしいが、健康を害するものではない
- 栄養素を添加せざるを得ないのは、ドッグフード会を牛耳る不可解なアーフコ基準値のため