安全でワンちゃんの体になんとなく良い気がするというイメージでオーガニックドッグフードを探している飼い主さんが多いと思いますが、オーガニックフードという定義をきちんと分っていない方も少なくないのではないでしょうか。
この記事では、私自身あやふやな理解でオーガニックという言葉を使っていた一人だったので、本当の意味でのオーガニックフードの定義、そしてオーガニックドッグフードに関する噂や誤解について私自身が疑問に感じたことを、徹底的に調べてそれに対する自分の意見なんかも書いています。
また、ヒューマングレードやナチュラルドッグフードといった混同しやすい表現との違いなども紹介しています。
最後にドッグフードのオーガニック商品についてもまとめているので、フード選びの参考にしてもらえたらと思います。
オーガニックフードってそもそも何?
オーガニックの定義として、分りやすくまとめている文章があったので引用させて頂きます。
オーガニックとは、有機栽培、有機農法とも言われます。簡単に言うと、化学肥料や農薬を使わずに育てられた作物や畜産物、それらを使用した加工品に対して使われます。
しかし、オーガニックとは、ただ化学肥料や農薬を使わないだけではありません。オーガニックを名乗るには、その土壌で2,3年前から化学肥料を使ってないこと、遺伝子組み換えの種は使用しない、畜産物の場合は飼料も有機であること、など、様々な基準があります。
厳密にはそれぞれのオーガニック認定機関によって定義は異なります。どれも共通して言えることは、オーガニックとは、化学的なものをできるだけ使わず、環境負荷をより少なくし、自然を大切にし、それが私たちの安全・健康増進にも繋がるような考えを持っていることです。
化学肥料や農薬に頼らずに育てられた作物をオーガニックというのですが、注目するべきは育てる土壌が最低数年間は化学肥料などを使っていないという条件。
確かに、栽培をした年は化学肥料や農薬を使っていなくても、その前の年にがっつり化学肥料を撒いていたら絶対に土の中に残ってますもんね。
そいうった以前に残留した農薬や化学肥料までしっかりと無くなった状態で育てられたものを本当のオーガニックフードと呼ぶということです。
基本的にオーガニック認定されたフードしかオーガニックフードとは呼べない
で、このオーガニックって自己申告ではないんですね。
色んなオーガニック認定機関があって、その期間に認定されることで初めてその商品はオーガニック商品と言えるわけです。
そして、ドッグフードもドッグフードのオーガニック認定をする機関があり、その機関からオーガニック認定を受けることによって晴れてオーガニックドッグフードと呼ぶことができるんです。
日本のドッグフードにはオーガニック認定制度がない
そして、欧米にはドッグフードのオーガニック認定機関があるのですが、実は日本にはドッグフードのオーガニック認定を定める期間がないんです。
JAS規格といった人間の食品の有機栽培、オーガニック栽培の認定をする規格はあるのですがドッグフードにはありません。
つまり、自己申告として事実上はあったとしても国産オーガニックフードという明確に認定されたものはないということです。
欧米のオーガニックフードの定義
USDAが認定するオーガニック認証機関オレゴンティルスの基準例
<家畜の場合>
飼料は100%オーガニック飼料を与えること
野外への放牧などストレスを与えずに飼育する
ホルモンや成長促進剤、抗生物質の投与は全面的に禁止等があります。<農作物の場合>
過去3年間に渡って化学肥料、農薬を使用していない畑で作られていること
遺伝子組み換え技術を使用しない等です。日本のオーガニック認定制度JAS法はドッグフードに適用されない
これをみると、農作物の場合は初めに紹介したオーガニックの定義とほぼ合致しますし、畜産物に関しても放牧飼育やホルモン剤や抗生物質の投与の禁止などが書かれています。
JAS法に照らし合わせて適合すると思われる国産フードはあるか?
日本のぺとフードにはオーガニックを認定する機関がないため、厳密にオーガニックフードと第三者から認められたドッグフードはありません。
ちなみに、日本の食品のオーガニック認定機関であるJAS規格はこういったものです。
こうやってみると、先ほど紹介したアメリカのオーガニック認定基準とそれほど変わらないですね。
これをもとに国産のドッグフードでJAS規格に当てはめてみると、契約農家から仕入れていたり、平飼いをしていたり基準に当てはまりそうな商品も中にはいくつかあります。
ただし、過去数年間の土壌に化学肥料や農薬を使ってなかったりと、この辺は調べようがないですね。
オーガニックといって良さそうなフードはありますが、厳密に言うと分らないというところに留まります。
日本のペットフードもしっかりとオーガニックの基準と認定の機関が出来て欲しいですね。
無添加フードとオーガニックフードの違い
無添加とオーガニックがごっちゃになってしまっていることがありますが、この2つは明確に違うものです。
無添加は添加物が入っていないということですし、オーガニックは有機栽培された食物という意味です。
安心安全というイメージ的には混同してしまいがちですが、これを覚えておくとただの宣伝文句的に使っている商品に踊らされなくなります。
ナチュラルフードとオーガニックフードの違い
オーガニックフードと似たような言葉ですが、ナチュラルフードというものもあります。
ナチュラル=自然なので、日本語になおすと自然派フードとでもいえるでしょうか。
使っている人のイメージ的には2つともほぼ同じような意味で使っている場合が多いと思います。
しかし、オーガニックフードの定義が明確なのに対して、ナチュラルフードは基準や認定などはありません。
ドッグフードメーカー側からすると、定義が曖昧でイメージ戦略に使うには非常に良い言葉とも言えます。
ナチュラルドッグフードと書いてあっても、イメージに踊らされずにその内容はしっかりと確認しましょう。
ヒューマングレードとオーガニックフードの関係
ヒューマングレードもオーガニックフードと意味がごっちゃになってしまいやすい言葉です。
ヒューマングレードとは、人間が食べれる原料を使ったドッグフードだということ。
もっと厳密に言うと、人間の食用として出回っているレベルの原料を使っているということです。
なんでこんな表現が出てきたのかというと、ご存知の通りペットフードが4Dミートなどレンダリングした粗悪な原料を使っていたことが明るみになったからですね。
元々人間の廃棄食材の再利用として作られ始めたというペットフードの成り立ちを考えれば当然のことですが、それを逆手にとったマーケティング用語として生まれたのが始まりです。
今までは人間界では流通しないような粗悪な原料を使っていたけど、このフードは全て人間界で流通できるものを使っているから安心だよ!ということなわけです。
ただ、人間界に出回っているからと言っても、その中でも最低ランクのくず肉から、普通に精肉店で売っているような肉まで様々なわけです。
もっというと、昔の日本の家で飼われていた犬がもらっていたのは人間の残り物なわけですが、考えようによってはこれも立派なヒューマングレードなわけです。
これもほかの言葉と同じように明確な定義が無く商品の宣伝文句的に添えられている場合も多いので、キーワードに踊らされずに自分の感覚でしっかりと確認してから与えたいですね。
ドッグフードは不味い?人間が食べてみたら
ヒューマングレードということは、人間が食べれるということですよね。
ならば、人間が食べてもおいしいのでしょうか?
これは私の実体験ですが、ヒューマングレードのドッグフードだからといって決して美味しいわけではありません。
特に、海外産のドッグフードは匂いがきつかったり、逆に味が全然なかったりと良いと言われているフードでも私は全く美味しいとは感じませんでした。
しかし、日本のだし汁を入れて作っている一部のドッグフードは普通に食べれるくらい美味しかったです。
もちろん、人間用に味付けなどはされていないのですが、出汁が入っているので肉や野菜の自然な旨味がしっかり残っているんですよね。
もちろん、人間が食べておいしいものがワンちゃんの食いつきと必ずしも直結するわけではないと思いますが、うちのワンコは私が美味しいと思ったフードはどれも喜んで食べています。
逆に私が美味しくないと思ったフードは食べないことが多いですね。
不思議ですが。
オーガニックは食いつきが悪くなる?
オーガニックフードは特性上、食いつきを考えた味付けなどがほとんどされないことが多いです。
そういう意味では、ジャンクフード的なおいしさはなくなり、いつも食べている化学調味料的な味付けに慣れているワンちゃんには物足りなく感じると思います。
これは前にも書きましたが、化学的な旨味を加えたものをマクドナルド的と例えるなら、オーガニックフードは精進料理です。
⇒身体に悪いドッグフードの方が食いつきが良かったりするジレンマ
確実に体や健康にとっては良いのですが、マクドナルドに慣れている子供がいきなり精進料理を食べても物足りないと感じるのと同じで、ワンちゃんの食いつきは悪くなることもあると思います。
ワンちゃんの健康を考えて、オーガニックフードを食べさせたいと思うのであれば、どうやって食べてもらうかというところは避けては通れない道かもしれません。
⇒チワワがごはんを食べてくれない理由は?その対策と工夫を検証してみた!
合成ビタミンやミネラルが入っていてもオーガニックフード?
硫酸銅などの合成ビタミンが入っている場合がありますが、そいういった栄養添加物が使われていてもフードの原料がオーガニックであればオーガニックフード認定を受けることができます。
ソルビダなんかもビタミンやミネラルなどの栄養添加物が入ってますよね。
こういった合成ビタミンや合成ミネラルが添加していたとしても、オーガニックフードとはいえるということです。
ただし、添加物といっても栄養として必要なかったり、発がん性など危険な添加物が入っているものはできるだけ避けた方がいいです。
オーガニックフードの保存方法は?
オーガニックフードというと、農薬や化学肥料を使っていない分足が早そうな気もしますが、フードにはしっかりと酸化防止剤を使っていることも多く、ドライフードに関しては一般的なドッグフードの保存方法と違いがあるわけではありません。
なので、しっかり密閉容器に入れることや涼しい冷暗所に置くなど基本的なところを押させていれば十分だと思います。
⇒各ドッグフードのタイプ別保存方法とフードが劣化してしまったときの判別の仕方。
オーガニックフードは劣化しやすい?
これもオーガニックという言葉のイメージですぐに悪くなってしまうと思われがちですが、しっかりと天然の保存料なども入っているものが多く一般的なフードと変わりません。
上でも紹介した保存方法を押させていれば問題ないでしょう。
安心してあげられるドッグフードの条件2つ
- 化学添加物が入っていないこと
- 原料に曖昧な表現が使っていないこと
オーガニックフードを探している飼い主さんの中ではできるだけ安全で安心なドッグフードをワンちゃんにあげたいという方も多いです。
そこで、安心してあげられるドッグフードの条件を2つあげさせてもらいました。
最低限、この条件を満たしていれば私の中では一応、安全だと言えるかなーという感じです。
ただしこれはあくまでもパッケージから分かる範囲での見分け方。
やっぱり最終的にはワンちゃんに食べさせてみて、体調やうんちの感じなどを観察していくことが一番大事です。
オーガニックフードを安く購入するコツ
訳アリのアウトレット商品を狙う
知っている方も多いと思いますが、インターネット上でドッグフードのアウトレット販売をしている業者がいます。
新品未使用品で通常よりも大幅に安く購入することができますが・・・・。
これはあるアウトレット商品を販売するお店のアウトレット商品を購入する方へ向けた注意書きです。
商品は新品未使用品ですが、変色、色落ち、汚れ・若干のキズが有ります。
新品商品として販売出来ないため、アウトレット商品として販売いたします。
破損した商品では有りません。ご使用には問題は無いと思われますが、保証は出来ません。アウトレット商品に限り、キズ・汚れ・ご使用後の破損・破損により発生した事故などの ご相談・クレームはお受けいたしません。
内袋の傷、汚れ、破れ、穴等のダメージや、賞味期限切れ、賞味期限が短い、賞味期限印字不良等の理由で、 通常より大幅に安く販売させていただいている商品です。
商品の特性上、完全にノークレーム・ノーリターンですのでご了承ください。
賞味期限切れのものや、袋が破れているものなどはさすがに買わない方がいいですが、
賞味期限が間近なものやパッケージの汚れなどフードの品質は問題ないものもあるようなので、しっかり訳アリの理由を確認できて信頼できるショップであればアリかなとも思います。
ただし、私はリスクが高過ぎると思うので利用しません。。
海外産のオーガニックドッグフード
オランダ産
ヤラー ドッグフード
イタリア産
フォルツァディエチ
⇒人気ドッグフードのFORZA10(フォルツァディエチ)を食べさせてみた!
オーストラリア産
ピュアオーガニックドッグフード
ビィナチュラル
目的別で選ぶオーガニックフード
パピー用のオーガニックドッグフード
ピュアオーガニックドッグフード プレミアムパピー
出典:http://www.sgjproducts.com/item_lists/dogfood/pure_organic_puppy.html
ヤラー パピー
シニア犬用のオーガニックフードは?
ヤラー シニア
市販のオーガニックフードはある?
どこにでも売っているというわけではありませんが、今回紹介したオーガニックフードの中で一番よくペットショップなどで見かけるのはヤラーですね。
オーガニックフードとして人気も高く、意識が高いショップにはたいてい置いてあるような気がします。
あと、ピュアオーガニックも私の知っているペットショップでは見たことがあります。
フォルツァディエチとビィナチュラルに関しては、店頭で販売しているのを私は見たことはないですね。
最寄りのショップになかった場合には、ネット通販で購入するのが無難です。