ここでは、ペット保険のPS保険(正式名称はペットメディカルサポート保険)についてペット保険を比較し選ぶ上で、必要最低限の情報を網羅していきます。
ペット保険はとにかく、色々考えだすとややこしいし、各社書き方が色々あって、比較するのが難しい・・。
なので、ここでは、PS保険と他のぺット保険を比較する上で、ここだけを押さえておけばバッチリ!という項目を過不足無く紹介します。
PS保険の補償内容
まずは、PS保険の補償内容の中で、大事なところだけをピックアップしてまとめていきます。パンフレットには色々と書いてありますが、とりあえずここをざっと抑えておけばOKです。
補償対象動物
PS保険の補償対象は犬、猫のみです。そのほかの小動物のペット保険加入を考えている場合は、ペット保険でいうとアニコム、そしてプリズムコールを検討してください。
加入・更新年齢制限
加入上限年齢 | 更新上限年齢 |
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9歳未満(8歳11ヵ月)まで | 終身 |
加入上限年齢は9歳未満となっていて、他のペット保険と比べると、やや上限年齢は低め(締め切りが早い)の保険となっています。
更新上限は終身=亡くなるまで更新可能となっているので、ここは心強いところですね。
待機期間(契約日から一定期間の補償外期間)
ケガ | 無し(保険開始日初日から補償される) |
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病気 | 無し(保険開始日初日から補償される) |
そして、PS保険の特徴的な部分がここ。
普通、他のペット保険では、特に病気の場合には、保険が始まった初日からすぐは待機期間といって、その期間中に病気が見つかったとしても、「保険に入る前から病気あったよね?」ということで、不担保(=補償対象外)となってしまいます。(大体、病気で一ヶ月くらいの待機期間を設けてるところが多いです。)
しかし、PS保険にはその待機期間がありません。つまり、保険の契約期間が始まった初日から病気も補償対象となります。
これは、一つ他のペット保険にはない、大きなメリットといっていいでしょうね。
プラン内容
フルカバー(50%、70%、100%共通) | |
通院 | 支払い限度額(1日):1万円 支払い限度回数(1年):20日 |
入院 | 支払い限度額(1日):2万円 支払い限度回数(1年):30日 |
手術 | 支払い限度額(1回):10万円 支払い限度回数(1年):2回 |
車いす費用補償※1 | 支払い限度額:10万円 |
ペットセレモニー(火葬費用等担保特約) | 支払い限度額:3万円 |
※1車いす費用は事故にあって歩行困難になった場合にのみ対象。病気の場合は対象外。
PS保険の補償範囲は、通院、入院、手術のフルカバーのみ。手術のみなどの部分補償のプランはありません。
通院、入院、手術での各補償限度額や限度回数も全プラン通して共通。
そして各プランでの最大補償額も、50%、70%、100%プランでもそれぞれ110万円となります。
この最大110万円という筋がパンフレットでもでかでかとキャチコピーとして書かれてますが、
110万円のうち10万円は車いす補償となっていますし、
後述する通院や手術などのカテゴリーの中で限度日数や限度額が設定されているため、
実質は、110万円をフルで使い切れることは難しいと考えておいた方がいいです。
(最大補償額は低くても、限度額や限度回数の縛りが無い保険の方が、実際に使える保険金が多くなる、という可能性が十分ある、ということです。)
また、この110万円には、車いす費用(1回のみ)の10万円も含まれているので、
実質普通に使える補償額としても100万円と考えておいた方がいいです。
(しかも、車いす補償が使えるのはケガの場合のみですからねー。病気では使えないってのは実際かなりガッカリしました。。)
補償範囲は50%、70%、100%。
100%補償があるのが最大の特徴で、
1日の限度額以内であれば治療費の100%補償されます。
ただし、1日あたりの限度額と年間の中で使用できる限度日数(手術の場合は回数)があるので、
高額治療費となってそれぞれの1日の限度額をオーバーした場合や、
限度日数(回数)を超えた場合は自己負担金が発生するので注意です。
100%補償だからと言って万能ではない(必ず満額治療費が支払われる、というわけではない)ことは頭に入れておく必要があります。
PS保険の免責金額
PS保険に免責金額の設定はありません。
治療費に対してそれぞれの補償割合(50%、70%、100%)をかけた金額がそのまま保険金として支払われます。
PS保険の保険料の推移と他ペット保険との比較
犬の場合
各保険の保険料が上がり方も含めて比較しやすいように70%補償に統一して(70%補償のないプリズムコールは100%(プレミアムオレンジプラン)、ペッツベストは年間限度額50万円、80%補償、年間免責金額2万円、プレミアム特約アリ)で比較しています。)
PS保険の保険料は濃い赤(えんじ)色の棒グラフ。
下から数えて方が早い位置にあります。
全ペット保険で比較してもかなりリーズナブルな保険料に当たります。
また、晩年の保険料の上がり方も緩やかで、一定の年齢からは保険料も一定になります。
保険料は補償割合が高くなるにつれて(50%、70%、100%となるにつれて)保険料はもちろん高くなっていくので注意です。
ただ、犬のペット保険の中の同じ保障割合、フルカバーの中ではトップクラスに保険料の安いペット保険だと言えます。
猫の場合
今度は猫の方の保険料のグラフ。
先ほどの犬の保険料では、かなりの価格競争力を発揮していたPS保険ですが、猫のペット保険の場合は、各社の保険料の設定がかなり低くなっていることもあり、相対的にみると、猫の場合は犬の時ほどは価格競争力は高くないことが分かります。(それでも、下から数えたほうが早いんですけどね。)
保険料の割引制度について
他頭割引、健康割引き等の割引制度は無し。
保険料にそのままダイレクトに還元しているからか、割引制度に関しては全くありません。
保険金の請求・支払い方式
保険金の請求、支払い方法は後日請求のみです。
窓口精算はできません。
この辺が若干めんどくさいと思う方もいるかもしれませんが、慣れたらけっこう普通になります。
窓口精算の便利さに慣れていて、もう戻れない‥という方や、初めてのペット保険で煩わしいことは無理、という場合は検討材料に入ってくるかもです。
PS保険の補償対象疾病・不担保疾病まとめ
対象・不担保がペット保険によって分かれやすい疾病
膝蓋骨脱臼 | ○ |
誤飲 | △ |
歯周病・歯肉炎 | ○ |
チェリーアイ | ○ |
股関節形成不全 | ○ |
レッグペルテス | 〇 |
気管虚脱 | ○ |
椎間板ヘルニア | ○ |
てんかん | 〇 |
病理検査 | ○ |
診断書作成費用 | - |
時間外診療(割り増し分) | × |
時間外診療費は、一般診療以外の時間外料金の部分は対象外。
保険金請求文書作成は必要ないとの回答。
誤飲の△は検査して、基本的には対象となりますが、何も出てこなくて処置が無かった場合には補償対象外となります。
時間外診療の△は、時間外の割り増し料金に関しては対象外。
表を見てわかるとおり、他のペット保険と比較しても補償対象となる疾病は多いですね。
リーズナブルな保険料からしても、かなり条件は良いといっていいでしょうね。
PS保険の慢性疾患・高額治療への対応
慢性疾患・高額治療への対応 |
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× |
同一疾患が契約更新後(年度をまたいで)も完治せず、治療が続いた場合、
補償される限度額や限度日数はその疾患に対してはリセットされません。
同じ疾患が完治せずに限度額や限度日数を超えてしまった場合、保険金が支払われないことになります。
PS保険の先天性・遺伝性疾患への対応
先天性・遺伝性疾患への対応 |
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△(先天性はOK、遺伝性はNG) |
PS保険は先天性疾患は補償対象ですが、遺伝性疾患については補償対象です。
PS保険の総評と飼い主の評価
はい、では最後にここまでの情報を受けて、私の感想と総評をちょこっと書いて締めたいと思います。
まず、PS保険は保険料と補償内容のバランスは非常に良い保険といっていいと思います。これだけリーズナブルな保険料で、免責疾病も多くないですし、補償内容もしっかりしています。
ただし、その代わり慢性疾患への対応はちょっと厳しいものになっているので、そこは注意。
また、最大補償額の110万円というのも、限度日数や限度額設定があるので、フルで使うことは難しく、そこまでメリットだとは言い難いです。
この辺はさすがにこの低い保険料を維持する上で、必要なトレードオフになっている、という感じはします。
そこまでしっかり把握したうえで、加入を検討してみて下さいね。